会社員は、フリーランスや自営業と比べて公的な保障が手厚い立場です。「会社員だからこそ、保険は最小限で済む」という視点を持つことで、保険料の無駄を大きく減らせます。
会社員が受けられる主な公的保障
- –傷病手当金:病気・ケガで働けない場合、最大18ヶ月間・標準報酬日額の約2/3が支給される
- –遺族厚生年金:死亡した場合、厚生年金加入期間に応じた額が遺族に支払われる(国民年金のみの遺族基礎年金より手厚い)
- –障害厚生年金:障害が残った場合、障害等級に応じて支給される(障害基礎年金に上乗せ)
- –雇用保険:失業した場合、給付日数・金額に応じた失業給付が受けられる
- –健康保険の高額療養費制度:1ヶ月の医療費自己負担に上限がある(標準的な収入で約8〜9万円)
会社の福利厚生も確認を
会社によっては、団体医療保険や慶弔見舞金、グループ保険などを提供しているケースがあります。まず就業規則や福利厚生の一覧を確認しましょう。
医療保険:「貯蓄があれば不要」が基本の判断
高額療養費制度により、1ヶ月の医療費負担は収入に応じた上限額に抑えられます。貯蓄が100〜200万円程度あれば、大半の医療リスクは自己資金でカバーできます。
医療保険が意味を持つのは、主に以下のケースです。
- –貯蓄が少なく、急な入院費に対応できない
- –差額ベッド代・先進医療など、高額療養費の対象外の支出が不安
- –入院中に収入が下がる(歩合制・個人事業主に近い働き方など)
貯蓄が十分にある会社員であれば、医療保険に加入せず保険料分を貯蓄に回すという判断も合理的です。
就業不能保険:傷病手当金の限界を把握してから
傷病手当金は最大18ヶ月ですが、長期的な障害や重大疾病で働けない期間がそれを超えることもあります。また、傷病手当金は収入の約2/3のため、3割程度の収入減を生じさせます。
以下に当てはまる場合は就業不能保険を検討する価値があります。
- –住宅ローンがあり、収入減で返済が苦しくなる可能性がある
- –子どもの教育費など固定支出が多い
- –18ヶ月を超えても働けないリスク(がん・精神疾患など)に備えたい
死亡保障(生命保険):扶養の有無で判断
死亡保障の必要性は、扶養家族がいるかどうかで決まります。
- –独身・扶養なし:遺族年金は関係なく、死亡保障の優先度は低い
- –配偶者・子どもがいる:遺族厚生年金の概算額を確認し、不足分を民間保険で補う
- –住宅ローンがある:団体信用生命保険(団信)でローン残債がカバーされることを確認し、重複加入を避ける
会社員の保険の考え方:優先順位
- 01まず公的保障の内容を把握する:傷病手当金の金額・期間、遺族年金の概算額を確認する
- 02貯蓄との比較で判断する:医療費・短期の収入減は貯蓄で対応できることが多い
- 03死亡保障は扶養状況次第:扶養家族がいる場合は必要保障額を計算する
- 04不足する部分だけを民間保険でカバーする:全部入りではなく、ギャップだけを埋める
まとめ
会社員の公的保障は手厚いため、「何となく入る」のではなく「公的保障で何がカバーされ、何が足りないか」を把握してから判断することが重要です。貯蓄が十分にある場合、医療保険・就業不能保険の優先度はどちらも下がります。
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年齢・家族構成・働き方を入力すると、会社員としての保険優先度を整理できます。